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「マスターズでもう一回勝ちたい」リビエラでの勝利がもたらした“感情”【松山英樹インタビュー・前編】

2024年シーズンを終えた松山英樹が、2勝を挙げ、パリ五輪では銅メダルを獲得した一年をALBA Netのインタビューで振り返った。全2回でお届けする。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2024年12月25日 03時00分

松山英樹がALBA Netのインタビューで2024年シーズンを振り返った
松山英樹がALBA Netのインタビューで2024年シーズンを振り返った (撮影:岩本芳弘)

2月の「ジェネシス招待」、そして8月のプレーオフシリーズ「フェデックス・セントジュード選手権」とシーズン2勝。夏には「パリ五輪」で日本男子ゴルフ界初のメダルとなる銅を獲得した松山英樹は、この一年をどう振り返り、また来年をどのように位置づけているのか? 本人へのインタビューで、その“想い”に迫る。(取材/高桑均、構成/間宮輝憲)

【写真】「自信になった」リビエラで笑顔満開の松山英樹



--まずは2024年シーズンは松山選手にとって、どのような一年でしたか

「本当にいいシーズンだったなと思いますね。今年は勝ちたいという気持ちが強かったんです。もちろん、それは毎年のことなので、それ自体が特別というわけではなかったですけど」

--2月にシグネチャーイベントの「ジェネシス招待」で優勝しました

「初日を迎えるまでに、“少しずつ状態が上がってきている”のは分かっていました。いいプレーができればなという気持ちはある半面、決して得意なコースではない。どうなるだろうか、という疑問は常に抱えながらプレーしていましたね」

最後ガッツポーズで締めくくった「ジェネシス招待」。この1勝は大きなものだったという

最後ガッツポーズで締めくくった「ジェネシス招待」。この1勝は大きなものだったという (撮影:GettyImages)

--最終日に「62」を出し、6打差を逆転しての勝利でした。そのなかでラウンド中の心理状態は

「これだけ差があると相手が伸ばしたら勝つことはできないし、最初はいいプレーをして終わりたいなという感じでした。それがスタートから3連続(バーディ)が取れたので、チャンスが来ればいいなと思うようになって。12番で長いバーディパット(15メートルほど)が入って1打差になっていたので、『あと1つ、2つ伸ばすことができたら勝つチャンスもあるかな』と。でも、そこからは難しいホールも続きますし、そう簡単にはいかないだろうなとも考えていました」

--あの優勝が持つ意味はどんなものでしたか

「そこまでケガもあり、なかなか思うような結果も出ず、苦しかった部分はありました。でも、あそこで勝つことができて、『まだ勝てるんだな』ということを改めて実感し、すごく自信になりましたね」

--これが米国男子ツアー通算9勝目で、アジア国籍の選手としての最多記録も更新しました。そこへの意識は

「勝てば最多記録というのは分かっていました。でも、それ以上に優勝できたということが、本当にうれしかったですね」

今季初優勝からの序盤戦を振り返ると「悪くない」という答えが返ってくる

今季初優勝からの序盤戦を振り返ると「悪くない」という答えが返ってくる (撮影:岩本芳弘)

--シーズン序盤に優勝し、そこからモチベーション、士気の高まりはどのようになっていくのでしょうか

「早く次の1勝を、(通算)10勝に乗せたいというのはありました。高ぶるというよりは、リビエラ(ジェネシス招待が行われるリビエラCC)でのプレーをもう一度続けていけるように、そう考えてやっていましたね」

--その後も3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」で6位、「バレロ・テキサス・オープン」で7位という結果を残し、4月の「マスターズ」、そしてメジャーシーズンへと突入しました

「やっぱりマスターズでもう一回勝ちたいですし、そこに向けて照準を合わせていきましたが、なかなか自信を持ってプレーできるところまでは戻っていかなかった(結果は38位タイ)。リビエラの最終日のようなプレーはなかなかできないんだなぁ、ということを改めて感じて、難しかったです」

「もう一度マスターズで…」。その思いは松山英樹の大きなモチベーションになっている。

「もう一度マスターズで…」。その思いは松山英樹の大きなモチベーションになっている。 (撮影:GettyImages)

--今年はチップ・インでバーディを奪うシーンもよく見かけました

「確かに多かったですけど、そこまで難しいアプローチはなかった。ラッキーだったものもたくさんありますし、特別入ってるなという感覚はなかったですね」

--6月の「全米オープン」は6位。10年ぶりにパインハースト・リゾートをプレーし優勝争いにも加わりましたが

「悪くなかったと思います。良くなってきている中でのプレーだったので、もう少し伸ばして最後は終われたら、と思っていました。ただ、なかなか思うようにはいかず苦しかった。ショット、パットともにチャンスについても入らず、逆にピンチでようやくセーブできる…というような。本当にギリギリのラインでやっていたし、う~ん、優勝に手が届く感じではなかったですね」

--トップ10も多くあった前半戦をどうとらえていますか

「下(の順位)から上がってのトップ10というのもたくさんありますし、そういうところがもう少しという感覚でした。優勝争いをしている時の得点、それを増やしていくことを、しっかりと考えたいですね」



後半戦には大きなハイライトにもなった8月のパリ五輪が待っていた。21年に実施された東京五輪では、7人によるプレーオフで敗退してメダルを逃したが、どのような思いで決戦の地・フランスに向かっていったのか? 後編では五輪での銅メダルから、プレーオフシリーズでのシーズン2勝目などを本人が振り返る。

後編では日本男子ゴルフ界に初のメダルをもたらしたパリ五輪を中心に振り返る

後編では日本男子ゴルフ界に初のメダルをもたらしたパリ五輪を中心に振り返る (撮影:GettyImages)

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